天堂晋助『家康暗殺』を徹底レビュー!歴史小説の真骨頂

引用:Amazon商品ページ

 

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 読書家:1日1冊以上読書、累計1000冊以上読了、元々は読書大嫌い

 小説やビジネス書、エッセイなど幅広いジャンルを扱い、読書の魅力を発信しています。

 皆さんが気になる本を見つけられるよう、詳細に書評をします。

 

 
こんな人におすすめ!
○歴史小説が好きな人
○戦国時代が好きな人

いや~、ついに読みましたよ、天堂晋助さんの短編集『家康暗殺』!

しかも島左近・石田三成・真田幸村と、戦国クラスタが「推し!」と叫びたくなる面々がずらり。ページを開くと、もう一瞬で戦国末期へタイムスリップしちゃいます。

この記事では

物語の熱量

歴史考証の厚み

読後に残る余韻

をたっぷり語り倒します!

「歴史小説は難しそう…」と敬遠していた友だちにも届くよう、専門用語はサクッと解説していくので安心してね。

 


息詰まる物語展開

 

導入部で心を掴む

 

冒頭を開いた瞬間、すぐさま――まるで刀の鍔ぜり合いみたいに――石田三成と島左近の視線がぶつかり合うんですよ。

「徳川家康を討つ覚悟はあるか?」と三成が低い声で切り込む場面、ページに火花が散ったようにバチバチッ! しかも左近の心の中で“この男に賭けてもいい”ってスイッチが入る瞬間を、天堂晋助さんはたった一行の地の文でさらっと書き抜くんです。

 

これがもうズルい。

読者の私は「え、そこで堕ちる⁉」と思わずニヤけつつ、“惚れた!”と確信した左近の胸の高鳴りまで共有させられて、気付けば指が勝手にページをめくってる(笑)。

 

短編集ってテンポが命ですが、本作は各話それぞれローンチロケット並みのスタートダッシュ

三成と左近の出会いから暗殺計画の腹の探り合い、家康の巨大な影がじわっと迫ってくる感じまでが、導入5ページにギュッと凝縮されているんです。

おかげで「今日は一話だけにしよう」の決意なんて秒で崩壊。読書モードのスイッチが ON 固定になって、「もうこの巻、最後まで読むしかないじゃん!」と深夜に枕元で一人ガッツポーズ――そんな破壊力

 

 

暗殺計画の焦燥

 

タイトルどおり“暗殺”がテーマ。とはいえド派手な忍者バトルではなく、情報戦と心理戦が主役です。

  • 「計画した側」が抱く焦り

  • 「狙われる側」が匂いを嗅ぎ取った時の背筋ゾクッ

  • 双方の息遣いがシームレスに切り替わる語り口

    この緊張感がたまらない!私は夜中に読んで、心拍数上がりすぎて寝不足でした(笑)。

 

結末余韻の深み

 

歴史ファンの皆さんなら、「いやいや、関ヶ原の翌年に江戸幕府が開かれるんだから家康は生き延びるでしょ?」

──そうタカをくくって読むわけですよね。ところがどっこい、天堂晋助はその“既知の歴史”を逆手に取ってきます。

 

島左近と真田幸村という、どう転んでも“敗者側”の武将たちの視界を通して物語を引っ張り、最後の最後で 歴史が持つはずの“既定路線”をスッとずらす

結果、私の口からは「そう来たか~!」という半笑い混じりの悲鳴がポロリ。

何が衝撃かって、家康の運命そのものよりも、左近や幸村が“勝ち目ゼロ”と悟りつつも刃を抜いた理由が、ラストでピタリとはまるところなんです。

二人とも「負けるとわかっていても、自分の生き様を裏切らない」という覚悟を抱えたまま突っ走る。

その覚悟が読後にじわじわと胸を焼き、まるで遠火で炙られるスルメのように後味が深くなるんですよ。

 

特に圧巻なのがエンディング前のわずか数行で行われる“視点の跳躍”。ここで語り手のレンズがググッと広角になるせいで、読者は一瞬にして自分の立ち位置を見失います。

「え、今のは誰の視線?」「これって史実なの? 架空なの?」と軽く混乱しつつも、そのズレが快感に変わる。

ページを閉じた瞬間、思わず友だちにLINEして「ちょっと語ろうぜ!」と呼び出したくなること請け合いです。

 


時代背景の臨場感

 

戦国末期の情勢

 

1590年代後半から1600年の関ヶ原直前までって、本当に“世紀末かよ⁉”ってくらい混沌してました。

豊臣秀吉が1598年に亡くなり、後継ぎの秀頼はまだ幼児。

つまり 「誰が実質トップなの?」が真空状態

ここへ、権力を狙う武将たちの利害がドカドカ積み上がります——まさに「導火線に火が付きかけた火薬庫」!

具体的にどんな火種があったのか、ちょっと整理しましょう:

 

  1. 朝鮮出兵のダメージ

    • 1592年と97年、秀吉は“文禄・慶長の役”で朝鮮半島へ大遠征。

    • 兵士の戦死・負傷はもちろん、大名の財政はスッカラカン、兵糧米の備蓄も底を突く。

    • 「も~勘弁してよ💸」と嘆く大名が続出し、秀頼のために結束するどころか不満ゲージMAX。

  2. 大名再配置(国替え)の不満

    • 秀吉生前の“石高シャッフル”で、西国の実力者を東へ、東の古参を西へと大移動。

    • 一見バランス取りに見えるけど、実は「隣国は仇敵、領地は山ばかり」という嫌がらせ配置も多い。

    • おかげで「オレの城返せ!」とブチ切れる大名があっちにもこっちにも。

  3. 宗教勢力との駆け引き

    • キリシタン大名(大友宗麟や高山右近)と、伝統仏教勢力(本願寺系や比叡山)との対立が再燃。

    • 秀吉は“バテレン追放令”を出したけど徹底できず、信仰の自由を巡って国中がザワザワ。

    • この宗教マターが各大名の外交カードになり、同盟と裏切りの伏線が絡み合う。

 

こうした爆弾を抱えた状態で、五大老(家康・毛利輝元ら)と五奉行(石田三成ら)が“寄り合い”を続けるわけですが——人間、財布が空で腹も黒いとケンカが加速するんですよね(笑)。

そして天堂晋助さんがすごいのは、単に「○年○月○日にこれこれが起きました」と箇条書きにしないところ。

  • 大名たちが朝鮮からボロボロで帰還した夜、誰が誰に愚痴メール(書状)を送りつけたか。

  • 秀吉の死後、「家康の宴席に呼ばれなかった!」と拗ねる三成の心の声。

——こういった “感情の地図” を物語の裏に細かく書き込むから、読者は年表を見なくても「あ、あの武将があそこまでキレた理由ってコレか!」と直感的に理解できるんです。背景が脳内にスッと滑り込む快感、ぜひ味わってみてください!

 

政治構造の影響

 

豊臣政権は五大老・五奉行システムでバランスを取ってましたが、実は統治スキームが未完成。

石田三成の事務能力 vs. 家康の領地・兵力

この“ガバナンスの穴”が暗殺計画をリアルにしています。

五大老…超大名5人で合議制を担う機関。

五奉行…政務を司る官僚トップ5。

用語を押さえると、島左近が「この政治空白、家康を消せばワンチャンある」と読んだ理由も腑に落ちる!

 


まとめ

 

  • 『家康暗殺』は戦国末期の“揺れる時代”を、男たちの覚悟と焦燥で切り取った短編集。

  • 導入から結末までノンストップ、なのに読後は深~い余韻が残る。

  • 歴史ビギナーでも安心、専門用語は作中&この記事でざっくりフォロー。

  • 198ページだから通勤時間+寝る前で読破可能!だけど私は2周目突入してます(笑)。

歴史小説ってハードル高そうに感じるかもだけど、天堂晋助さんの筆致は「人間ドラマ先行」だから物語にぐいっと引き込まれるはず!

 

皆さんもぜひ読んでみてください!そして語り合いましょ、「推し武将は誰か?」ってね。

 

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